FACULTY OF SCIENCE AND ENGINEERING, GRADUATE SCHOOL OF ENGINEERING, IWATE UNIVERSITY
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復興への貢献

東日本大地震、発生から5年。理工学の学びを通して、一人のために、そして地域のために、何ができるのか。
私たちは問い続けています

復興への貢献

被災地の中学生と岩手大学の学生が一緒に「3.11」を振り返り、これからのまちづくりを話し合いました。
(岩手大学地域防災研究センターの取り組み)

  2011年3月11日、岩手県沿岸各地に甚大な被害をもたらした「東日本大震災」。 およそ90km離れた盛岡市にある岩手大学は幸いにも無事でした。しかし「同じ岩手にある大学として、一緒に復興を進めていきたい」と、発生から21日後の4月1日に「岩手大学東日本大震災復興対策本部」を設置。「今すぐ必要な力」から 「未来のための力」まで、大学が持つさまざまな知識、技術、人力をいかして、復興に向けた取り組みを続けています。

 

1.防災研究/防災教育
地域防災・復興、そして地域創生の拠点づくりが使命

 「岩手大学地域防災研究センター」は、東日本大震災から1年を経た2012年4月より、工学部附属組織から全学組織となり再出発しました。全学からの多様な学問分野に身を置く教員や研究員の参画のもと、防災や東日本大震災からの復興に資する研究・教育を進めています。
 当センターの特徴は、その名前の示す通り、「地域防災」に焦点を当てていることにあります。津波、火山、地震、洪水、土砂崩れなど、災害は発生から復旧・復興まで、その地域の自然・社会環境に大きく影響を受けます。

復興への貢献

 当センターには、身近なフィールドとの長期的な関わりを大切にし、地域の防災上の課題を発掘しながらその改善に向けて実践的にアプローチしている教員らが所属しています。
 当センターは「自然災害解析」、「防災まちづくり」、「災害文化」という3つの部門で構成されています。
 所属する教員たちは、東日本大震災で被害を受けた地域に入り、被災状況の調査や地震・津波などの解析のほか、復興まちづくりの支援、子どもたちへの教育や災害文化の伝承など、さまざまな分野での学際的な研究・教育を地域の人々とともに進めています。

岩手大学地域防災研究センター長 南 正昭 教授

岩手大学地域防災研究センター長
南 正昭(みなみ まさあき) 教授

 地域防災研究の拠点であること、そして、被災地の復興から地域の創生に向けて、多くの人と知恵の交差するプラットホームであること。それが、「岩手大学地域防災研究センター」の使命であると考えています。
 東日本大震災からの復興への取り組みを加速させるために、地域とともに研究・教育を進め、今後の震災が危惧されている地域の大学との連携を深めながら、過去・現在・未来を貫く相互の学びの場の創出へとつなげることをめざしています。

 

2.被災地復興学習から未来をみつめる
何ができるかを問いつづけるために現地に立つことが大切

1・2年生が沿岸被災地の被災状況と復興の取り組みを見学

1・2年生が沿岸被災地の被災状況と
復興の取り組みを見学

 本学では、1・2 年生を対象に被災地復興学習を行っています。学生たちが被災地の現状や復興の歩みに直接触れることで、自分で学んだ内容が、この地域で生かせることもあるのだと感じてほしいのです。災害を過去のことにしてしまわないために、自分に何ができるかを問いつづけるために。被災地から帰り、引率した学生たちに私は問いかけます。「何か自分たちで、できることみつけた?今の自分に何ができる?」、もちろん学生のなかには、自分のテーマを持ち帰ってくる学生もいます。しかし学生の多くは、復興のために自分に何ができるかの結論が出ないままに戻ってきます。とはいえ何も考えていないのではありません。ある大切なことに気づいて帰ってきます。「今、私たちにできるのは、学生の本分である勉強にまじめに取り組むこと。そして、いつか社会の役に立てる学問の力を身につけることです」。

地域の漁業者の協力を得ながらウニのわたとりシステムの実験を行っています

地域の漁業者の協力を得ながらウニのわたとりシステムの実験を行っています

 復興が進む被災地に立ち、学び続ける決意を新たにする学生たち。私たち教員もまたフィールドに立ち続け、被災地復興支援の取り組みを行っています。そのひとつとして、私が研究室の学生と一緒に調査・実験を行っているのが、ウニのわた(内臓)を容易にとる作業支援システムの構築です。

システム創成工学科  知能・メディア情報コース 萩原 義裕 教授

システム創成工学科 知能・メディア情報コース
萩原 義裕(はぎはら よしひろ) 教授

漁業者のめんどうな手作業を簡単にできる仕組みを考え実験を重ねています。いつまでも忘れず、今後も変わることなく、学生たちと一緒に、専門分野を生かしたものづくりの視点をもって、沿岸被災地復興のお手伝いをしたいと考えています。

 

3.水産ロボティクスで水産業を支援したい
沿岸漁業環境や磯根資源の調査管理に活用展開が期待されるロボット技術

魚型ロボット・さっしー

魚型ロボット・さっしー

 三陸沿岸地域では従来、浅瀬域での水産資源調査や管理は、潜水士による調査が行われてきました。しかし潜水士の高齢化、浅瀬域特有の危険性に対しロボット技術の展開が求められていました。また、水産加工業従事者の高齢化や人手不足解消のための省力化機器の開発が喫緊の課題となっていました。沿岸地域漁業者のさまざまな課題は、東日本大震災により、さらに顕在化、深刻化していきました。水産業・水産加工業は壊滅的なダメージを被ったのです。

水中ロボット「FAN-Ⅱ」

水中ロボット「FAN-Ⅱ」

 [3.11]の後、岩手の沿岸を支援する体制をつくりたい、水産業復興のお手伝いをしたいとの思いをこめて、水産業の課題解決に向けて水産業を支援するロボットの実用化(水産ロボティクス)をめざしました。
 水産ロボティクスとしては、潜水士の調査を支援する水産資源調査・管理ロボットの研究開発、および水産加工業支援ロボットの研究開発を進めています。はじめに開発したのは、海に潜ってウニや海藻などの量を調べる「魚型ロボット・さっしー」。海中での直進性能に優れ、海流の早い海域での海洋調査にも適応が可能です。

システム創成工学科  機械科学コース 三好 扶 准教授

システム創成工学科 機械科学コース
三好 扶(みよし たすく) 准教授

 海中で静止しながら、さまざまなアングルで写真撮影できる水中ロボット「FAN」は、ワカメやホタテなどの養殖観察に適応。「プロペラ(Fan)で動く楽しい(Fun)水中ロボット」だから「FAN」と命名しました。「手軽に」かつ「安全に」水産資源管理を可能にする水中ロボットを研究開発したいと考えています。

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