高校生のための研究紹介
ミライを想像し、イノベーションを創造する
岩手大学理工学部では、たくさんの独創的で、創造的な研究が展開されています。ほんの一例ではありますが、ここでは各分野の先生方が、最先端の研究とその魅力について紹介します。理工学部でどのような研究ができるのか、みなさんも自分の未来を想像しながら読んでみてください。
岩手大学という豊かな学びのフィールドで、地域、そして世界に発信できる新たな発見、新たなものづくりに挑戦してみませんか?
For Examinees
岩手大学理工学部では、たくさんの独創的で、創造的な研究が展開されています。ほんの一例ではありますが、ここでは各分野の先生方が、最先端の研究とその魅力について紹介します。理工学部でどのような研究ができるのか、みなさんも自分の未来を想像しながら読んでみてください。
岩手大学という豊かな学びのフィールドで、地域、そして世界に発信できる新たな発見、新たなものづくりに挑戦してみませんか?
コンピュータ化学を積極的に導入し、難易度の高い量子化学計算も実施。最近ではさらに、AI を導入した研究も行っています。
みなさん知っていますか?製薬企業の研究職の半数は薬学部以外の出身です。中でも、複雑な医薬品分子を自由自在に扱える理工系の有機合成化学者は、製薬研究に不可欠な存在であるため製薬企業への就職が有利となります。私の研究室でも、製薬企業の研究者が欲する技術である「触媒の開発」、「医薬品分子合成の短工程化」、「計算化学による医薬品や有機反応の解析」、等を研究しており、多くの卒業生が製薬企業で活躍しています。
顕微ラマン分光装置を用いて振動スペクトルを観測。試料を顕微鏡の下にセットし、レーザー光を入射することで散乱光をとらえ、それを分光および検出してスペクトルを出力します。
物質に高圧力をかけると、分子や原子の配列が変わり、全く違う性質を示します。室温、560メガパスカル以上で生じる水素の高密度超臨界流体相では、核スピンのオルソーパラ転換が生じます。この発現機構を明らかにすることで、水素輸送や貯蔵で指摘されるエネルギーロス問題の解決のヒントを得たいと考えています。 数学や物理学の醍醐味は、普遍の真理を明らかにすることであり、現代社会の問題解決に不可欠な「ゼロを1にする」に匹敵します。その能力が鍛えられるのが数理・物理コースです。
超伝導バルク磁石を用いて強磁場を発生させる研究に用いられる装置。
「電気抵抗がゼロ」という唯一無二の性質を示す超伝導材料に興味をもって研究しています。電磁誘導という現象を使うと超伝導材料はワイヤレスでとても強い永久磁石(ネオジム永久磁石の10~30倍)になります。より強い磁石になる超伝導材料の開発とともに、可搬型の磁気共鳴画像法(MRI)装置や水素液化に用いられる磁気冷凍装置への応用など社会実装を目指して研究を行っています。
電磁波の反射率の違いを用いて、より高精度に穂や葉を区別して認識させる試みにも取り組んでいます。
コンピュータの画像認識能力は、以前はとうてい人間には敵わないといわれていました。しかし、その能力は最近、目覚ましい進化をとげており、もはや人間を超えるほどの性能を示すようになってきています。その中核をなすのは、機械学習をはじめとする人工知能に関連した技術です。この、進化の真っ只中にある人工知能を、如何に多くの分野で活かして世の中に役立てるか、それを考えながら日々、研究を進めています。
研究室がデザインを手がけた、盛岡市動物公園ZOOMO のクッキー。手に取りやすい形状やサイズ感、価格とのバランスや、ディスプレーした時の見栄えなども考慮されています。
欧米向けの南部鉄器等、地域の伝統的工芸品や特産品のデザインをはじめ、最先端の医療機器、照明機器、家具のプロダクトデザイン、また、iPhoneのアプリやインターフェースデザイン、パッケージデザイン等を国内外の企業と連携で進めています。例えば、飲料ボトルのパッケージデザインの研究では、アイトラッキングシステムを使いユーザーの視線の動きを分析し、書体や配色がもたらす効果などについて検証しています。
現在は同軸プローブで先端付近のマイクロ波帯誘電率を測定。最終的には樹上に実ったリンゴに電波を当て、非破壊で成熟度がわかる装置を開発する予定です。
電波が物体に当たると、その物体の電気的・磁気的な性質によって反射特性に差が生じます。特にマイクロ波は、水分の含有量や、水溶液中の可溶性固形物の濃度差に対して敏感に反射特性が変化することが知られています。この性質を利用し、収穫前の果実に対する非破壊糖度測定の研究を行っています。実現すれば、果実の全個体検査による品質管理が可能となり、人手不足が深刻化する果樹農業のスマート化に貢献できると期待されます。
伸縮可能な生体センサを貼り付けて、嚥下時の筋活動をモニタリング。放射線被曝や痛みを伴わない新たな嚥下機能診断技術の開発に挑戦。
筋電図や脳波などの生体信号には、本人の健康状態や意図に関する様々な情報が含まれています。本研究室では、AIや信号分離技術を用いて生体信号を読み解くことで、高齢者の誤嚥・肺炎リスクを判定する嚥下機能検査システムや、脳波で機械を操るブレイン・マシン・インタフェースを開発中。学問の垣根を超えた学びと融合により、健康・医療・福祉の未来を支える次世代技術の創成に挑戦しています。
ドローンから撮影した写真を使って、3 次元の地形データを作成した画像。航空機によるデータと比較して、高密度な点群が得られ、より詳細な地形解析につながることが期待される。
日本には、2000以上の活断層があることが知られており、私たちの身近にもあります。活断層による地震が発生すると、甚大な被害を受けます。これらの被害を軽減するためには、活断層がどこあるのか?どのくらいの規模の地震を起こすのか?どのように活動してきたのか?などを知る必要があります。活断層の位置やその地下の様子を、地形や地質などの様々な手法を使って研究しています。また、活断層だけでなく、自然災害の軽減のための研究も行っています。