デザイン・メディア工学コース

デザイン工学とメディア工学を柱に高度なデザイナーと技術者を養成

どのようなことを学び研究するコース?

本コースでは、主にデザイン工学とメディア工学を学ぶことができます。デザイン工学においては、環境、プロダクト、コンテンツについて学びます。また、メディア工学では、デザインを支える基礎技術をテーマに研究します。メディア工学とデザイン工学の両方を学びながら、主となる専門分野をより深く学ぶことができます。また、留学生を含む異なる分野のメンバーのグループによる、課題解決型のプロジェクト学習があります。これにより、学際的な知識の学習や相互のコミュニケーション能力の育成、グループ学習によるコミュニケーション能力の獲得、国際社会で活躍できる人材の養成を目指します。

この研究は社会にどのように生かされる?

ひとに優しい環境と文化的な生活空間など、心の豊かさに対する社会的ニーズにこたえることができます。また、環境系デザイン工学、芸術系デザイン工学、メディア工学など、背景とする学問分野の異なる学生が、自らの構想によるシステム開発などを課題として、プロジェクトを連携して推進していくことにより、チーム活動力を身につけることができます。さらに、専門分野および関連分野に関する幅広い知識を習得させ、英語能力を含むコミュニケーション能力を身につけ、国際社会で活躍することができます。デザイン工学とメディア工学のいずれかの専門分野もしくは融合分野における研究活動に従事することも可能です。

大学院に進学する学生に求めることは?

科学技術分野において、広範な専門基礎学力と未知の課題を積極的に解決できる専門的応用能力を有し、地域社会と国際社会の発展および自然環境との共生を重視する高度な専門技術者・研究者を育成することを目標にしています。各入学段階における学生に求めることは次の通りです。


<一般入試>

  • 研究・開発能力を培うに必要な専門基礎学力を有する人
  • 問題解決に意欲を有し、実行力・具現化能力に優れた人
  • 倫理観を有し、高いモチベーションで日々努力する人

<社会人入試>

  • 研究・開発能力を培うに必要な専門基礎学力を有する人
  • 社会人の経験を通して、柔軟で幅広い知識と倫理性を兼ね備えた人
  • 問題解決に高いモチベーションで日々努力する人

<外国人留学生入試>

  • 研究・開発能力を培うに必要な専門基礎学力を有する人
  • 問題解決に意欲を有し、実行力・具現化能力に優れた人
  • 日本文化を理解し、倫理観と高いモチベーションを備えた技術者・研究者として国際的に活躍できる人

どのような人材育成を目指している?

デザイン・メディア工学コースは、心の豊かさに対する社会的ニーズをふまえ、ひとに優しい環境と文化的な生活空間の形成を目的とする<環境、プロダクト、およびコンテンツ>などのデザインに関わるデザイン工学(環境系,芸術系)と、その基盤技術として発展の著しいメディア工学に関する教育研究を通じて、デザインと技術の相互の分野を理解し協働できる高度な専門技術者の育成を行い、協創的社会の実現に貢献する人材の育成を目指しています。

修了後の想定される進路は?

博士後期課程へ進学、行政(公務員)への就職。その他、デザイン・印刷関連企業、建設関連企業(環境計測、建設、設計・コンサルタント)、メーカ(自動車、家電、携帯電話など)、ソフトウェア開発業(Webシステム、メディアツール、組み込みシステムなど)、コンテンツ制作関連企業(Webコンテンツ、アニメーション、ゲーム、バーチャルリアリティー、デジタルアーカイブ)、放送・通信業(放送コンテンツ、通信インフラ構築など)セキュリティ関連企業などへの就職が想定されます。

学生Interview

大学院で経験した学際的な経験は今後の財産になる

深澤 瑞基さん

学部時代は理工学部のシステム創成工学科知能・メディア情報コース[k1] に在籍しており、コンピュータグラフィックス技術や情報通信技術、プログラミング技術などコンピュータに関することを中心に確率統計やフーリエ解析などの数学周りなどについて勉強していました。また、理工学部内の取り組みである学内カンパニーという活動に参加し、IoTデバイスの開発に取り組んでいたこともありました。そこではデバイス間の通信制御や機能制御関連のソフトウェア全般の制作を担当しました。自分が在籍していたカンパニーは小規模で、[k2] 関わっていた期間も長くはありませんでしたが充実した活動ができた時間でした。

私は大学に入学した時点で大学院へ進学するつもりでいました。学部で研究室に配属された際、そこでの研究活動が楽しく、「もっと長く続けたい」と感じたことが院進のいちばんの理由です。進む前は、「研究活動を継続し成果をきちんと残せるか」と不安もありましたが、大学や研究室のサポートが厚かったこと、また先輩の助言や協力などもあって不安は軽減されました。

学部での学びは、授業を受けながらさまざまな知識を得ることが中心でしたが、大学院では自分で決めたテーマについて自主的に研究を進めることが中心となります。学部でも4年次に卒業研究に取り組みますが、大学院ではより高度かつ本格的な研究活動に取り組むことができることが大きなメリットだと思います。
また授業中に行われる共同制作 や研究室での共同研究など、他の専門分野の人と共同で実施する 活動も多くなります。このような活動では、自身 の考えなどを他分野の人にもわかりやすく伝える、プロジェクトを計画的に進行し取りまとめるなど、コミュニケーション能力やマネジメント能力が問われる場面も多く、日々成長を感じられ ます。

現在は画像解析やコンピュータビジョンを専門として研究しています。人体の周期運動と脳の神経活動の関係に関する脳科学分野との共同研究や、細胞画像の解析に関する生物学分野との共同研究など、学際的な研究がメインです。実世界を対象に取り組む研究のため、自分の想定したような実験結果が出ないことも多いのですが、それを改善、克服したときの楽しさは非常に大きいものがあります。

博士課程に進学後、大学の教員を目指そうと考えていますが、博士課程ではこれまでの研究活動を次に生かしたいですし、大学院で取り組んだ学際的な経験はその後の研究者としての活動にも大きく生かせるものと確信しています。

私は、大学院に進み、授業だけでなく研究活動を通じて、問題解決に関する能力やノウハウを積極的に身に付けたい人は 、ぜひ大学院への進学、博士課程への進学を考えてみるべきだと思います。奨学金や授業料免除などさまざまなサポートも用意されていて就学を応援してくれます。あなたの研究活動を1年で終わらせてしまうのはあまりにももったいないように思いますので、ぜひ選択肢に入れてほしいなと思います。


※取材は2022年12月段階のものです

理工学専攻(修士課程)