システム創成工学専攻

第四次産業革命の時代において,IoTやAIによって既存の産業社会が大きく変革を遂げつつあり,これまでの要素技術の開発・改善ではなく,人・社会・産業全体をシステムとして捉え,高度な専門知識に加え広範な知識を兼ね備えた人材育成のための教育研究を展開する必要があります。本専攻は,電気電子通信,知能情報,機械,社会基盤・環境に関する広範囲な領域とその境界領域において,先端的な新技術と融合化技術を開拓するための教育・研究を実施し,環境やエネルギー危機を解決するための「持続可能な社会」への転換や,高度に電子情報化された「ユビキタス社会」への対応,未来の知能化した「機械システム」の構築,安全・安心を柱とした「社会基盤」の整備に貢献できる高度専門技術者,研究者の養成を目指します。

電気電子通信工学分野

下記の電気電子通信工学領域における最新の学術研究成果に基づく高度な教育研究を行い,高度な知識を持ち,自立して研究できる技術者・研究者の養成を行います。

通信・電子システム工学領域では,電子情報産業の成長に欠くことのできない,無線通信システム,ディジタル信号処理システム,計測・制御システムなどに関する教育と研究を行っています。

電子デバイス工学領域では,磁性材料や電子材料の特性や物性を調べるとともに,それを応用した磁気デバイス,高周波デバイス,光デバイスなどに関する教育と研究を行っています。

電気エネルギー工学領域では,電気エネルギーの発生とそれによって起る環境問題をプラズマ技術で解決するための研究,電気エネルギー発生には不可欠な電気絶縁などの教育と研究を行っています。

機械工学分野

下記3領域の最新の学術研究成果に基づく高度な教育研究を行い,高度な知識を持ち,自立して研究できる技術者・研究者の養成を行います。

航空宇宙領域では,航空機・ロケット・宇宙機などを効率的に飛行・推進させるための技術,運動の制御や飛行効率を向上するためのシステム制御技術,航空宇宙機に用いられる材料の長寿命化・耐熱性向上・機能性向上技術,について最先端の研究を取り扱います。

バイオ・ロボティクス領域では,人間の生活を支援するためのセンシング技術や制御技術,医療用ロボット・高齢者や障がい者のための自立支援ロボット・海洋および水産業の調査・管理に向けた水中ロボット,について最先端の研究を取り扱います。

システムデザイン領域では,加工システムの最適化・加工精度の高度化・加工条件の最適化,流体現象・機械構造・表面テクスチャなどが複合的に性能に影響を与える熱流体システムや自然エネルギーシステムの最適化技術,について最先端の研究を取り扱います。

知能情報工学分野

インターネットとそれを取り巻く情報技術によって急速に変化している現代社会の中で,豊かな社会を維持発展させるために必須なコンピュータシステムの中核技術を担うのが知能情報工学です。

本専攻の知能情報工学分野は,知能化によって人々の活動を支援する新しいコンピュータシステムの研究・開発を主導できる高度専門職業人・研究者の育成を目標としています。変化する世界に対応可能な高性能システムの開発のため,最適化や数え上げなど実社会で頻出する問題をグラフ理論等に基づいて素早く解くための高効率アルゴリズム,音響,光,画像等を聴覚や資格の特性に着目して効率よく処理するための知能情報処理システム,対象のモデル化に基づくインテリジェントシステムなどに関し,それらの設計能力を習得するための研究・教育を行います。

社会基盤・環境工学分野

社会基盤・環境工学分野では,社会基盤・環境工学に関する専門分野への見識を深めるとともに,人と社会・産業をつなぐ社会基盤・環境システムの創成のため,建設工学,環境工学,防災工学の各領域における最新の学術研究成果に基づく工学分野の高度な教育研究を行います。課題の設定,全体構想の立案,研究の遂行と解析に独自性を発揮できる能力を培い,今後社会的要請が高まると考えられる建設,環境,防災の観点を視野に入れた社会基盤の整備において指導的な役割を果たす研究者あるいは高度専門技術者を養成します。

建設工学領域では,地質及び土質の特性の解明,斜面安定の評価手法の開発,構造物の動的応答解析及び合成構造物の解析手法,耐震設計手法の開発,耐久性・経済性に優れた建設材料の開発,建設廃棄物の有効利用方法の開発等に関する社会基盤を構築するための教育研究を行います。

防災工学領域では,地盤の振動特性解析,活断層の構造形態解析,地震・火山噴火・斜面崩壊・津波・洪水などの発生メカニズムの解明や防災システムの開発等に関する安全・安心な社会を構築するための教育研究を行います。

環境工学領域では,生態系の保全を視野に入れた地域環境の創出のための環境計画,都市再生計画手法の体系化,水質や土壌の汚染制御と環境保全・修復技術の開発,高齢者や障がい者などに優しく安全な地域や街づくりのためのユニバーサルデザインや交通システムの計画・管理手法の開発等に関する持続可能な環境や社会を構築するための教育研究を行います。

このコースではこんな教員が待っています

理工学研究科(博士課程)