知能・メディア情報コース
コンピュータ科学をベースとして、知能情報工学とメディア情報工学を学ぶ
どのようなことを学び研究するコース?
情報システムは複雑化する現代社会を支える基盤であり、その技術の発展にはコンピュータや情報処理に関する幅広い知識が必要です。知能・メディア情報コースは、情報システムの開発に携わる技術者・研究者の育成のため、初心者でも段階的に高度なプログラミング技法を習得できる一連のプログラミング演習、ハードウェアの動作を学んでその設計を行うハードウェア実験とハードウェア設計演習、コンピュータ通信の仕組みを学ぶネットワーク実験など、多くの実践的な授業を行います。さらに、チームの力を合わせてシステムを開発するプロジェクト開発演習も行います。教育研究は、先端的な情報処理システムに関する「知能情報工学分野」、コンピュータグラフィックスや音響などメディア情報システムに関する「メディア情報工学分野」の2つに分かれ、これらを通して最先端の知識と技術を習得します。
知能情報工学分野
信号処理、画像処理とパターン認識、人工知能、ロボティクスなど、未来のコンピュータ社会を支える知能情報工学の基礎と応用を学びます。
メディア情報工学分野
コンピュータグラフィックス、メディアシステム、ヒューマンインタフェースなど、コンピュータ社会を豊かにするメディア情報工学の基礎と応用を学びます。
コンピュータ・ネットワーク基礎
コンピュータのハードウェアとソフトウェア、コンピュータネットワークの理論と技術、アルゴリズムやセキュリティなど、情報システムの基盤技術は上記のどちらの分野でも共通に学びます。



この研究は社会にどのように生かされる?
コンピュータネットワークや情報セキュリティなどに代表されるように、情報工学に関する技術は安心・安全で豊かな生活環境を構築するために必要不可欠な存在となっており、現在では数え切れないほど多くの分野を支える基盤技術として利用されています。例えば、皆さんがよくご存知の自動車、家電、スマートフォンなどにも当たり前のようにコンピュータが搭載されていて、これらの実現には情報工学の進歩発展が大きく寄与したといっても過言ではありません。このように、進歩が急速で絶えず革新的な研究開発が進められている情報工学は、未来の情報化社会のさらなる充実・発展に貢献していきます。
このコースに入学する学生に求めることは?
本コースでは次のような能力・資質を備えた入学者を求めています。
- 情報工学を学ぶに相応しい基礎学力
- 積極的に人と協働できるコミュニケーション能力と情報工学を学ぶための論理的思考能力
- 情報工学に強い興味と関心を持ち、社会や生活上の様々な問題の解決に情報技術を通じて貢献しようとする意欲
どのような人材育成を目指している?
複雑化する情報化社会を支える知能情報工学、メディア情報工学に関する基礎知識や考え方、さらには学んだ知識を現代のIoT(Internet of Things)社会に活用できる実践的なスキルを身につけるための教育研究を展開しており、地元企業のみならず、幅広くグローバルに活躍できる技術者・研究者の育成を目指しています。
卒業後の想定される進路は?
情報システム、情報メディアに精通した人材は、あらゆる分野・職種で必要とされています。したがって、今後も高い就職率が期待できます。
- ITメディア関連
- 情報通信関連
- 電気エレクトロニクス関連
- 自動車関連
- 機械関連
- 公務員
- 大学院進学 など
カリキュラム
1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 | |
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専門基礎科目 |
●基礎数学 ●微分積分学I ●微分積分学Ⅱ ●線形代数学I ◎微分方程式 ◎物理学 ◎化学 ◎生物学 |
●確率統計学 ◎線形代数学Ⅱ ◎ベクトル解析 ◎複素解析 ◎フーリエ解析 |
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知能・メディア情報コース専門科目 |
●プログラミング言語入門 ●創造プロジェクト |
●データ構造とアルゴリズム ●数値計算 ●ソフトウェア構成論 ●プログラミング言語及び演習Ⅰ ●プログラミング言語及び演習Ⅱ ●ハードウェア実験 ○集積回路 ○データ解析 ○ディジタル通信 |
●ディジタル回路設計 ●コンピュータアーキテクチャ ●コンピュータネットワーク ●オぺレーティングシステム ●実用英語セミナー ●情報工学特別講義 ●プログラミング言語及び演習Ⅲ ●ソフトウェア設計及び演習 ●ネットワーク実験 ●システム創成プロジェクト ●キャリアセミナー ○信号処理 ○画像処理とパターン認識 ○人工知能 ○ロボティクス ○コンピュータグラフィックス ○メディアシステム ○形式言語とオートマトン ○情報理論 ○コンパイラ ○数理計画法 |
●ハードウェア設計及び演習 ●情報工学専門実験 ●卒業研究 ○ヒューマンインタフェース ○データベース |
学科内共通科目 |
●情報工学基礎 ○電気回路論Ⅰ ○電気理論の基礎 ○測量学 |
●離散数学 ●論理回路 ○アナログ電子回路 ○材料力学Ⅰ ○機械力学 ○機械設計学 ○構造力学Ⅰ ○環境工学 |
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学部内共通科目 | ●ソフトパス理工学概論 |
○原子力工学 ○技術者倫理 ○工業経営管理論 |
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○知的財産権概論 ○特許法特講 |
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○社会体験学習 | ||||
○国際研修 |
●必修科目○選択科目◎選択必修科目
学生Interview

その人専用のアプリやシステムを開発したい
藤原 輔さん
[岩手県 盛岡第四高校出身]
ニュースなどで見た最先端技術を駆使したシステムやロボットに関心を持ち、情報工学を学びたいと思って岩手大学理工学部を選びました。私が所属する研究室は、各々が興味のあるテーマを設定し、それに沿った研究をしているところが特色です。私の研究テーマは、「ランニングコース提案システムの設計」です。ランニングをするとき、コースが毎回同じようになってしまいがちですが、コースをAIが作成・提案できるようなシステムをつくることが今の目標です。このような活動を通じて、学ぶ意欲や楽しさが実感でき,充実した学生生活を送っています。大学卒業後は大学院に進学し,そこでより高度な専門知識と技術を身に着け、将来はシステムエンジニアとして社会に役立つシステムを開発していきたいと考えています。
※取材は2022年12月段階のものです
このコースではこんな教員が待っています
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明石 卓也
AKASHI Takuya人工知能で画像認識や脳の機能を解明する
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木村 彰男
KIMURA Akioコンピュータに画像の中身を理解させる
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今野 晃市
KONNO Kouichi仮想・複合現実向けにものの形を整える
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佐藤 信
SATOH Makoto視覚情報学、コンカレント・プログラミング
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談 宜育
TAN Yiyu新しいコンピューティングシステムをつくる
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張 建偉
ZHANG Jianweiウェブやテキストデータからの知識発見
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永田 仁史
NAGATA Yoshifumiコンピュータによる音響・聴覚情報処理
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中谷 直司
NAKAYA Naoshiコンピュータやネットワークの安全を守る
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萩原 義裕
HAGIHARA Yoshihiroアバターのダンスを人工知能でキレッキレに
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平山 貴司
HIRAYAMA Takashiディジタルシステムを自動設計するソフトウェアの開発
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藤岡 豊太
FUJIOKA Toyota音や振動を用いて構造物の内部を検査する
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藤本 忠博
FUJIMOTO Tadahiroコンピュータで映像を作る
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堀田 克哉
HOTTA Katsuyaデータ構造を明らかにするアルゴリズムの開発
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松山 克胤
MATSUYAMA Katsutsuguこれまでにないアプリを発想して実際に作る
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山中 克久
YAMANAKA Katsuhisaアプリの心臓部:高速なアルゴリズムの設計
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游 梦博
YOU Mengbo大量のデータから最も重要な特徴量を選択する
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盧 忻
LU Xin画像からの知識発見