数理・物理コース

数理科学や物理科学の新たな発展、新産業の創出、教育に貢献できる人材を育成

どのようなことを学び研究するコース?

自然に潜む法則を探求し、自ら体験することで物理学、数理科学の理解を深め、数理・物理的な思考力およびセンスを身につけられるよう豊富な教育科目が設けられています。「物理科学分野」では主に物質の新規特性、新物質設計を探求する物性物理学および物質・宇宙の起源を探求する現代物理学のカリキュラム、そして「数理科学分野」では、主に数理統計、複雑系科学、ゲーム理論等、物理現象と社会現象を数学的なアプローチで紐解いていくカリキュラムを編成しています。両分野の科目に加え、共通教育でマテリアルコースの科目履修も可能。基礎学問に加え材料科学の工業・応用的な素養も身につけ、裾野の広い知識と能力を修得できるコースです。

物理科学分野

物理学の基礎力を養うため、電磁気学、量子物理学、固体物理学などを学ぶほか、物理学の応用展開力を身に付けるため、物性物理学と基礎物理学も学びます。物性物理学では、超伝導、磁性、ナノ物性などを、基礎物理学では、素粒子、原子核、宇宙とその観測法などを学びます。

数理科学分野

数理科学の根幹となる力を養うため、応用微分方程式、応用確率統計学、数値解析学などを学びます。さらに、数理科学の応用展開力を身に付けるため、複雑系科学、ゲーム理論などを学びます。

この研究は社会にどのように生かされる?

数理物理コースの研究は「物理科学分野」、「数理科学分野」に大別されます。物理科学分野の研究は持続可能な社会の実現や宇宙創造のメカニズムの解明等に生かされます。数理科学の研究は未知の現象の予測や新たな工業製品の設計等に生かされます。

このコースに入学する学生に求めることは?

数理・物理コースでは、物質の性質から宇宙の構造まで、自然界の仕組みを探求する中で深く論理的に考える力を養い、学んだ知識や考え方を活用して、社会に貢献できる人材の育成を行います。そのために、本コースでは次のような能力・資質を備えた入学者を求めています。

  • 数理・物理科学を学ぶに相応しい、数学、物理、化学、英語等の基礎学力
  • 数理科学、物理科学、物質科学の学問分野に対する高い勉学意欲
  • 数理・物理科学分野に強い興味を持ち、自然科学の発展を通して人類が直面する諸問題に取り組みたいという意欲
  • 新しい課題に挑戦する積極性と、地域はもとよりグローバルに活躍したいという意欲

どのような人材育成を目指している?

数理・物理科学に関する幅広い知識と高い専門性を駆使して、数理科学分野や物理科学分野の科学技術の発展、新産業の創出、教育、持続可能な社会の実現に貢献できる人材の育成を目指しています。

卒業後の想定される進路は?

本質を追求する数理・物理的な思考力およびセンスは、多様化、複雑化する現代社会において、問題解決能力として必要不可欠であり、研究・開発者として社会の幅広い分野で活躍できます。大学院への進学も多く期待され、専門分野を更に詳しく学ぶことができます。

  • 大学・高校、国立研究所など研究・教育機関
  • 電気エレクトロニクス関連
  • 金属素材関連
  • SE関連
  • 金融関連
  • 情報サービス関連
  • 県庁・市役所など官公庁、公務員
  • 大学院進学 など

カリキュラム

1年次 2年次 3年次 4年次
専門基礎科目 基礎数学
微分積分学I
微分積分学Ⅱ
線形代数学
微分方程式
物理学
化学I
化学Ⅱ
生物学
ベクトル解析
フーリエ解析
物理学実験
化学実験
確率統計学
地学
複素解析
数理・物理コース科目 応用確率統計学
幾何学Ⅰ
幾何学Ⅱ
応用微分方程式
物理数学演習Ⅰ
物理数学演習Ⅱ
粒子線計測学
現代物理学Ⅰ
現代物理学Ⅱ
複雑系科学
ゲーム理論
応用解析学
量子物理学Ⅱ
卒業研究
学科内共通科目 物理・材料理工学基礎演習
設計製図
熱力学
科学技術英語Ⅰ
材料組織学Ⅰ
電磁気学Ⅰ
量子物理学Ⅰ
統計物理学
電気回路学
光学
電磁気学Ⅱ
科学技術英語Ⅱ
数値計算法
プログラミング学
物理・材料理工学実験Ⅰ
物理・材料理工学実験Ⅱ
固体物理学
特別講義Ⅰ
特別講義Ⅱ
工場見学
電子物性学
材料計測学
誘電体材料学
半導体理工学
有機材料学
磁性理工学
超伝導理工学
ナノ理工学 
専門英語セミナー
特別研修
学部内共通科目 ソフトパス理工学概論 技術者倫理
原子力工学
工業経営管理論
知的財産権概論
特許法特講
社会体験学習
国際研修

必修科目 選択科目選択必修科目

学生Interview

物質の特性(物性)を調べる大型実験を通じて、新しい量子現象を観測する喜びを知りました。

谷口 正弥さん

[岩手県 盛岡第三高校出身]

磁性物質、超伝導物質といった特殊材料に着目し、その結晶構造および特性を様々な実験手段を通して調べています。特に物質の硬さ・軟らかさを示す弾性特性を、結晶中を伝わる「音の速度」から決定しています。測定物質に応じて実験装置の条件を変化させ、最適条件を見出さなければならないため難しい実験ではありますが、その分、成功した後、特に世界に一つだけの初データを自らの手で出した瞬間の喜びは一入です。  高校で学ぶ物理・化学の知識は、大学で習う学問の重要な基礎になります。この基礎をしっかり身につけて大学の専門科目に繋げていってください。

※取材は2017年3月段階のものです

物理・材料理工学科