機械科学コース
「航空宇宙分野」、「バイオ・ロボティクス分野」、「システムデザイン分野」の高度な機械システムを研究開発し、次世代ものづくり人材を育成する
どのようなことを学び研究するコース?
持続可能な社会の実現には、これまでの大量生産・大量輸送・大量消費・大量廃棄から脱却する必要があり、循環型社会を実現することが人類のテーマです。機械科学コースでは、「地球をマネージメントする」をテーマに、最先端の科学技術を究める研究者や、社会が必要とする高度な機械システムの開発・設計・製造の分野における先端的ものづくりの技術者を育成することを目標としています。
航空宇宙分野
主に航空宇宙システムの課題に対応して、航空宇宙工学概論、航空流体工学、固体力学、材料力学、システム制御工学、航空宇宙システム工学などを中心に、機械工学や航空宇宙工学の基礎と幅広い実践能力を養います。
バイオ・ロボティクス分野
主にバイオ・ロボットシステムの課題に対応して、ロボット工学概論、生体工学、計測工学、精密工学、ロボティクス工学などを中心に、機械工学やバイオ・ロボット工学の基礎と幅広い実践能力を養います。
システムデザイン分野
主にシステムデザインの課題に対応して、自動車工学概論、生産加工学、燃焼工学、環境とエネルギー、伝熱工学などを中心に、機械工学やシステムデザイン工学の基礎と幅広い実践能力を養います。
この研究は社会にどのように生かされる?
めざましい発展を続ける最先端科学技術を支えているのは機械科学です。
本コースの「航空宇宙分野」では環境適合型航空エンジンや無人航空システムなどについて研究しています。また、「バイオ・ロボティクス分野」では生物に学ぶことによる新たなロボットや人間の健康と生活を支援するロボットの研究開発、「システムデザイン分野」では環境に優しい加工技術やエネルギー制御技術の研究開発などを行っています。
これらの研究は、豊かで持続可能な社会の実現に生かされます。
このコースに入学する学生に求めることは?
機械科学コースでは、先端的ものづくりの分野において、次世代の科学技術を創出することにより持続可能な社会を実現することを目指し、環境負荷の低減や省エネルギーなど、多様な社会の要求に柔軟に対応しながら、機械システムを創成できる能力を身に付けた機械系技術者を育成します。そのために、本コースでは次のような能力・資質を備えた入学者を求めています。
- 持続可能な社会の実現のために、地域はもとよりグローバルに活躍したいという意欲
- 機械科学に興味を持ち、それを学ぶために相応しい基礎学力と論理的な思考力
- 人類の多様な課題に関心を持ち、解決のために情報を収集する行動力
- 機械科学における課題を積極的に探求し、解決しようとする意欲
どのような人材育成を目指している?
ものづくりにおいて重要な役割を果たす機械工学に関する基礎知識や考え方、実社会へ応用するスキルを身につけることができます。機械力学、材料力学、流体力学および熱力学を中心とし、さらに専門性の深化が要求される技術の開発、融合的なものづくりを目指し、「航空宇宙分野」「バイオ・ロボティクス分野」「システムデザイン分野」の3つの分野からなる教育研究を展開し、産業分野で活躍できる技術者・研究者や、多様な地域産業を支え、復興に貢献できる人材を育成します。
卒業後の想定される進路は?
大学院への進学のほか、機械工学に関する知識とスキルを身につけた人材は、あらゆる職種・分野で必要とされています。したがって、今後も高い就職率が期待されます。
- ものづくり関連全般(設計、開発、製造)
- 航空宇宙関連
- AI、ロボット、ヒューマンインターフェース等の知能機械関連
- 自動車関連
- 船舶、鉄道関連
- 医療、福祉、健康等の機器開発関連
- センサ、通信機器、半導体等のエレクトロニクス関連
- 公務員(国・県・市、教育、研究所など)
- 大学院進学(岩手大学、東北大学など)
カリキュラム
1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 | |
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専門基礎科目 |
●基礎数学 ●微分積分学I ●微分積分学Ⅱ ●線形代数学 ●物理学I ●物理学Ⅱ ●化学 |
●微分方程式 ●ベクトル解析 ●フーリエ解析 ●物理学実験 |
●複素解析 ●確率統計学 |
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機械科学コース専門科目 |
●機械工作実習 ●初年次機械ゼミナール ●機械基礎製図Ⅰ ●CAD実習 ○自動車工学概論 ○ロボット工学概論 ○航空宇宙工学概論 |
●機械基礎製図Ⅱ ●機械設計製図 ●材料力学演習 ●機械材料学 ●水力学 ●水力学演習 ●機械力学演習 ●熱力学 ●熱力学演習 ●機械加工学 ●FORTRAN実習 ○生産加工学 ○材料力学Ⅱ ○粘性流体工学 ○数値計算法 |
●機械科学実験 ●制御工学 ●C言語実習 ●機械科学特別講義Ⅰ ●工業英語 ●機械科学研修Ⅰ ○機械科学特別講義Ⅱ ○伝熱工学 ○燃焼工学 ○環境とエネルギー ○生体工学 ○精密工学 ○システム制御工学 ○計測工学 ○固体力学 ○基礎計算力学 ○航空流体工学 |
●機械科学研修Ⅱ ●卒業研究 ○トライボロジー ○ロボティクス工学 ○航空宇宙システム工学 |
学科内共通科目 |
○電気回路論Ⅰ ○電気理論の基礎 ○情報工学基礎 ○測量学 |
●材料力学Ⅰ ●機械力学 ●機械設計学 ○アナログ電子回路 ○離散数学 ○論理回路 ○構造力学Ⅰ ○環境工学 |
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学部内共通科目 | ●ソフトパス理工学概論 |
●技術者倫理 |
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○原子力工学 ○工業経営管理論 ○知的財産権概論 ○特許法特講 |
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○社会体験学習 | ||||
○国際研修 |
●必修科目 ○選択科目
学生Interview
システム工学を学び、夢である航空業界に進みたい
小野 ひかりさん
[山形県 酒田東高校出身]
私は空港の運営や飛行機の整備に興味があります。高校時代、東北地方で航空工学に関する内容を学べる大学を探していたところ、高校の担任の先生に岩手大学の理工学部を勧められ受験を決めました。将来も航空業界への就職を考えています。
現在はシステム工学をもとに最適化の技術を研究している花原・山田研究室に所属しています。研究テーマは未定ですが、視線や体の動きなど、人の活動に関する研究に興味を持っていて、今は研究に取り組む準備としてプログラミングの勉強をしています。分からないことがあれば研究室の先輩にヒントをもらい、問題を解決する方法を考えています。自分にできないことがみつかると悔しいですが、成長するチャンスだと考えて新しいことを学ぶのを楽しんでいます。これから取り組む研究が、誰かの生活を少しでも豊かにすることにつながればうれしいと思っています。
※取材は2022年12月段階のものです
このコースではこんな教員が待っています
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上野 和之
UENO Kazuyuki航空機・宇宙機まわり流れの空気力学研究
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内舘 道正
UCHIDATE Michimasa摩擦や摩耗を制御して資源を有効活用する
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小野寺 英輝
ONODERA Hideki風車の運転効率向上と新機構の開発
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佐々木 誠
SASAKI Makoto高齢者や障がい者の生活を支える生体医工学
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佐藤 淳
SATOH Atsushiシステム制御理論および航空宇宙システムへの応用
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柴田 貴範
SHIBATA Takanori地球に優しい未来の航空エンジンの開発
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清水 友治
SHIMIZU Tomoharu金型技術と金型を使った製品開発に関する研究
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末永 陽介
SUENAGA YosukeSTOP!地球温暖化 燃焼研究からのアプローチ
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竹田 裕貴
TAKEDA Yuki宇宙機・航空機まわりの流れの数値シミュレーション
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谷口 英夫
TANIGUCHI Hideo流れの乱れに関する現象を解明する
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西川 尚宏
NISHIKAWA Naohiro人と環境にやさしい電気防錆加工法
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西村 文仁
NISHIMURA Fumihito材料が変形するしくみを解明する
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花原 和之
HANAHARA Kazuyukiいちばん良いものを創って使うための方法
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水野 雅裕
MIZUNO Masahiroソーラーパネル素材のスライス技術
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三好 扶
MIYOSHI Tasuku極限環境で仕事をするロボットシステム
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柳岡 英樹
YANAOKA Hideki見えない流れを科学する
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山田 香織
YAMADA Kaori創造的設計のための支援
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山田 和豊
YAMADA Kazutoyoスーパーコンピュータを用いた流れの数値シミュレーション
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湯川 俊浩
YUKAWA Toshihiroロボットの機構/要素/システムの研究開発
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吉野 泰弘
YOSHINO Yasuhiro特殊環境における機械材料の摩耗メカニズム解明
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吉原 信人
YOSHIHARA Nobuhito精密加工に関する研究
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脇 裕之
WAKI Hiroyuki航空エンジンの高信頼性のための材料力学